かわべやすこの英国便り〜DECEMBER〜

2013.03.05   カテゴリ » その他

「YASUKO、あなたにチャンスをあげよう!」
リバティデパートの女性デレクターは、イギリス人特有の”SU”のところに、強いアクセントのある発音でこう言ったのを、私は夢物語の中でのように聞いた。
わずかに開いた窓から、リージェントストリートのクリスマスイルミネーションが輝いているのが見える。前日、クラスメートに誘われてこのイルミネーションを見たとき、このようなシチュエーションでこの光を見ることになるなんて、想像もしていなかった。
リバティデパートで、Exhibition(展示会)をしたいという思いは、イギリスで暮らしたときからの念願だった。作品の写真を送ったことすら忘れていたその日の朝、一本の電話がかかってきた。秘書が、リバティのディレクターがあなたの作品を見て、あなたに会いたがっていると告げた。
あれから何度、リージェントストリートのクリスマスイルミネーションを見たことだろう?そのたびに”YASUKO”という、あの私を呼ぶ声が蘇る。こうして私のイギリスでの最初のイベントはスタートした。
ロンドンでの冬を、あんなに美しく大切に思えるのは、彼女と出会い、彼女の存在が、今も私のなかに生きているからだろう。

Garden Style Flower Arrangementより